房総半島でクロダイを釣りたい人のためのブログ

房総半島でクロダイに出会いたい人、集まれ!

一期一会

それはまさに「予期せぬ出会い」でした。

 

一昨年の夏のことです。

その日は、日中がなんと7~8m/sの南西からの暴風で、夜になるにしたがって風は収まる方向ながら、5~6m/sの予報でした。

こういう日でも釣りができる唯一の場所が南房の洲崎灯台下の磯です。

公園の駐車場は一日1,000円とちょっと高めですが、駐車場から海に向かって斜面の途中はキャンプ場、そのまま車で抜けると、なんと磯場の手前に停めることができます。

 

日中からの暴風で半ば釣行をあきらめていたため、出発が遅くなったこともあり、到着した頃には午後7時過ぎで、駐車場は真っ暗。

さすがに誰も着ていないだろうと、キャンプ場を抜けて磯場に出ると、なんと先行者のクルマが3台も停まっています。

 

しまった~、のんびり来過ぎた!

 

車から外に出て釣り場をよく見ると、いくつか電気ウキの明かりがあります。

私が入りたかった釣り座の近くにも一つ明かりが見えますが、それ以外の明かりはやや離れたところに固まっています。

 

神様頼みます、あそこの釣り座に入れますように!

 

そう願いながら、荷物を担いでその釣り座に向かったところ、やはりお一人、おられました。その方は、私が入りたい釣り座から海に向かって右側に5メートル程のところに

立っていました。

 

あそこに割り込むのは失礼だなあ。

 

そう思った時その方が振り返り、私に向かって「ここ入ってよいですよ。」とおっしゃいます。釣り場ではもちろん先着順の暗黙ルールがあるので、そんなことを言って譲って下さる人は初めてだったため、面食らいました。

 

お顔はよく見えませんでしたが、穏やかに笑いながら、「何を釣りにいらしたのですか?」と聞かれたので、当時クロダイに目覚め始めた頃だった私は、クロダイですと答えました。すると「ほら、あそこのちょっと色が違うところあるでしょ、そこにコマセとウキを同乗させてごらんなさい。クロダイ、釣れると思いますよ。」

 

なんて心の広い方なのだろう。

 

私は礼を言って準備を始めます。すると離れたところに居たお仲間がその方のところに来られて一言二言会話され、またすぐに戻ります。お仲間の方を向いて話されているその方のライフジャケットにはお名前が書かれています。それを見た時、私は目を疑いました。房総半島で磯釣りをされる方なら一度は目にしたことがある地磯ガイドブック「房総半島パーフェクト地磯ガイド」でも釣り場案内をされているフィールドテスターのK氏だったのです。

 

こんな出会いってまずないことです。

 

私は躊躇なく「Kさんですよね。ガイドブックでも拝見してます!」と声をかけたところ、K氏ははいはいとうなずきながら楽しそう。

 

しばらく経つと、普段私なら根掛かりが怖くて絶対に狙わない超浅場のポイントで、まずメジナの43センチ(写真撮らせていただきました(笑))を、そのあと今度はクロダイの40センチオーバーを連続で釣り上げます。f:id:Kokoromachi:20200510203253j:image

 

「何が違うんでしょうか」と私がたずねると、「根掛かりを怖がらないこと、ラインを張っておくことですかねえ」とこともなげに言われました。

 

K氏の実釣時間は恐らく30分程だったと思います。たった30分の間に良型2枚。恐れ入りました!

 

私は、横からK氏の釣りを学ぼうと盗み見ていました(すみません!)が、仕掛けの入れ方からコマセ投入、その後の微調整の一連の動作が、がさつさがなく繊細に感じました。

 

この日、クロダイ釣りのヒントをいただいたような気がします。