心の中で、喰い込め~と念じますが、ほどなく電気ウキは浮いてきて、またすぐに潜ります。
どうなっているんだ。
仕掛けを回収しようとすると、まさかの根掛かりです。根掛かりしている方向に竿を向けて、少し緩めたドラグから道糸が出て行かないように押さえながら、ゆ~っくり後ずさりしながら引っ張ると、意外に簡単に抜けました。この抜け方は、海草に引っ掛かっていたことを表します。
次に、大きめのオキアミを背が掛けにして投入します。ウキは、先程と違うルートを辿りながら、異なるポイントで先程と同じように潜ったり浮いたり。根掛かりは勘弁なので、すぐに仕掛けを立てると、何か小さな魚が喰っています。残念ながら、まだフグが居るようです。
このあと、気分転換にココのクロダイは喰わない磯ガニを付けてみましたが、やはりこれはダメでした。
よし、こうなったらサナギに懸けよう。
チヌ針をチモトまでサナギで覆い隠すように包み、先端を切って体液を出しながら食い気を誘うことをイメージして、先程とは異なるポイントに投入。海草溜まりを避けるためです。
するとなかなか良い感じにウキが漂っています。ポイントがよかったのか、潮がまた変わったのかは分かりません。
そしてその直後、一瞬電気ウキが滲んだように見えたので目をこらすと、間もなくウキがグングンと力強く引き込まれて行きます。
来たっ!
咄嗟にアワセを入れると重量感のある感触です。これは大きいかもしれない。そして間違いなくクロダイでしょう。
以前寄せてくるときに、竿を一瞬寝かせたばかりに針外れで逃げられた経験から、今回は絶対に逃がさないという気持ちで、竿を立てて寄せます。このやり取りの時間はほんの数分、いやもしかしたら1分もないかもしれませんが、なんとも表現が難しい位、充実感があります。
玉網に取り込んだクロダイは、44cmありました。
スタイルの良いクロダイだと思いませんか。
その後また、潮が変わってウキが滲んだり浮いたりの状況となり、最後に根掛かりしたところで納竿としました。
時間はいつの間にか22時を回っていました。
定まらない潮と海草の中での2枚で、満足のいく釣行となりました。
みなさんも自粛明け、思う存分クロダイ釣りを楽しんでくださいね。