よくテレビでプロの方達が番組の冒頭で、磯に上がるとその釣り場から見た海を指しながら、
「左手の手前から沖に向かって払い出している潮と右手からこの磯の先を流れる潮がぶつかって、ちょうどこの先から沖に向けて動いています」みたいなことを言われています。
画面を凝視してみたり、目を細めてみたり、いろいろやっても全く分かりません。
沖に払い出してると言われればそうとも思えるし、でも沖から手前にぶつかってきているようにも見えるし。
グレ釣りなどは、以前お名前を書かせてもらった平和卓也さんの分かりやすい解説の釣りを見ていると、潮の流れがこうだからココに仕掛けを入れるとこう流れるはずだから、あそこで喰うはずと言いながら仕掛けを入れ込み、本当にグレを掛けたりしているところを観ると、やはり潮の動きが見えているんだあ、と思います。
でも、他の方達の釣り方を見ていると、前回書いたように、カメラが仕掛けを追ってくれないので、潮が右から左とか、ホントに見えてるのか、失礼ながら疑いたくなってしまいます。
実際の釣行の時にも、高いところに登っては、あちこち海の状況を知ろうと思って、偏向グラスをかけてジーっと見ようとするのですが、何年やってもコレだけは感覚が掴めないのです。
少しならお金を払ってでも誰かに教えていただきたいくらいです。(笑)
そういうわけで私の釣りは、いつまでたってもウキ頼み。
だから他の方に自分の釣りを自信をもってオススメするのを躊躇してしまう気持ちがどこかにあります。
しかし、クロダイ釣りに関して言うと、潮の動きの見極めは必須事項ではない(潮に仕掛けを乗せて釣るのではなく、コマセと仕掛けに魚を寄せて釣る釣りだと思っている)ので、あまり気にしすぎなくてもよいと考えています。
たとえば、仮に風によって仕掛けが、向かって右側に動いていたとしたら、引っ張られてハリスから針までの間は浮くのはウキ止めにウキが当たって行き場を無くすからであって、海中の潮の流れの影響だけではないと思います。要するに、風がどうだとか潮がどうだとかは原因に過ぎず、仕掛けが浮いているという状態を感じたら、単にガン玉を打ってやれば解決です。この点は、理論派の方達から見たら看過出来ないかもしれませんが、これまで述べてきたような感覚的な釣りでも結果としてクロダイが釣れていれば、問題ないはずです。
私が言いたいことは、理論は釣りをゲームとしてより楽しむためのプラスアルファとして大事ですが、野性の本能と我々人間の知性の駆け引きという観点で考えると、必要最低限の感覚と工夫があればクロダイは釣れると思います。
なかなかクロダイが釣れなくてあれこれ考えてしまっている方、肩の力を抜いて、基本に忠実に、もっとシンプルに考えてみるのもアリですよ。